この元検事の先生、お名前はそう、とりあえず夏川氏とでもしておきましょう。と言いますのは、それは私がお会いした時点での奥さまの苗字で、それまでに何度も苗字が変わり(離婚再婚を繰り返すたびに)、本名がはたして何だったのか本人も定かではなくなっている模様??戦後間もなく東大法学部を卒業なさって法務省に入省され、戦勝国アメリカの「民主的」司法制度を学ぶため貨物船で渡米、ワシントンで当時のFBI長官(フーバーさんだったか)と対面したそうです。その後帰国されてからはエリート検事としてのキャリアが始まったのですが、柔道で膝を痛められて半年も医者通いをしても一向に改善せず、松葉杖が離せず、たまたま仕事の関係で訪れた熱海駅のホームで大学時代の先輩に出くわすことに。 その先輩曰く、「夏川、そのザマはいったいどうしたっていうんだい?何、膝が痛い?運のいいやつだな。ちょうどいい。俺について来な。そんなもん2週間ですっかりよくなるって。」 何のことかまったくわからぬ夏川検事、それでもここはひとまず先輩の顔を立てるしかないかと判断し、よれよれとついていくことになった。人の出会いとは不思議なもので、まさにそれが彼と酵素風呂との出会いでした。その日から2週間、言われるままに毎日酵素風呂に入ることになり、回数を重ねるたびに痛みがやわらぎ、最初は半信半疑だった夏川検事も「これはいけるかもしれん」と思うようになり、2週間後、見事約束どうり松葉杖なしですたすた歩けるようになったのでした。その後、半年お世話になった医者のところに報告に出向き、「すっかりよくなりました」と言うと、「それはよかったね」の一言だけ。頭にきた夏川検事は「そりゃーねーだろう」とその医者をぶんなぐってしまったそうな。(当然ながら検事にあるまじきこの暴挙は後日省内で問題になったであろうことは想像に難くありません。)

その夏川検事が酵素風呂という見たことも聞いたこともない不可思議な療法と出会い、そしてその驚くべき効果を実感した熱海市内の場所こそが我が国における酵素風呂発祥の地点でありました。

次回Vol.5につづく