米ぬか酵素のブログ

米ぬか酵素浴を用いた「酵素温熱免疫療法」の紹介とグループ代表の体験談や論説。

2008年11月

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マーカーの値はその後急速に下降してひと月経たないうちに0.9まで落ちました。それ以降、検査は月に1回になりましたが、結果はずうっと0.9−1.2の間で極めてわずかな変動の範囲に留まっていて、3年後に検査をやめるまでその状態はまったく変化しませんでした。血液検査ではマーカーだけを調べていたわけではなく、健診でいつもおなじみの項目である総コレステロールだの中性脂肪だの尿酸だのの数値も観察していたわけですが、酵素風呂通いを始めてから半年くらいでそれらのすべての数値が正常化したのです。特に総コレステロールなどは、最初290を超えていたのですが、225前後まで下がってしまったのには驚いたものです。

一方、CTの方では、一回は8cmに巨大化していたものが、その一月後の画像ではもとの3cmに戻っていて周囲に散在していた細かいのはすべて消えていたのです。その後も1年くらいは2か月に一回のペースでCTを撮っていました。あまり目立った変化はなかったのですが、その3cmの丸い影は、少しづつ縮小しながら、だんだんと肝臓左葉の内側から縁の方へ移動していくというか、まるで押し出されて行くかのように見えました。先生は、多分癌組織はもうとっくに死滅していて石灰化しているんだろうね・・と言われました。「先生、組織が死んでいるかどうかを確認する方法はないもんでしょうかね?」 「そりゃあ、切って取りだせば簡単に確認できるよ。」と先生。確認したいという欲求はかなりあったのですが、その確認のプロセスはあまり楽しそうではなかったので、それはお願いしないことにしました。 

この主治医の先生は、地元の市立総合病院で外科部長を務めてこられ、今から20年前にそこを退職され、消化器外科を専門とする大きなクリニックを開業されたベテラン外科医で患者に優しい医療をモットーに活躍されている方です。その先生いわく、「今まで二百何十例もあなたと同じ病態の患者さんを診てきたけど、治療らしい治療を何もせずにこんな短期間に治ってしまうことなど一度もなかった。これは本当に奇跡としか言いようがない。」 米ぬか酵素風呂の件は先生にお話ししてあったのですが、そんなものを医師が治療とはみなすはずもないので当然ながらそのようなコメントになるのでしょう。ただし、温熱療法の可能性は認識されていたようで、そのクリニックにもその装置は設備されていましたが、残念ながらついにそれを試すチャンスはありませんでした。 

手術後3年ほどは間隔は伸びたものの定期的に血液検査とCTは続けていましたが、結果はまるで変化がありませんでした。ただ一つだけ変化したのは、CTの機械でした。旧型は一枚撮影するたびにガクンと少し前進してその都度息をいっぱい吸い込んで止めるという儀式が必要で、全部終わるのに30分くらいかかったのが、ヘリカルCTと呼ばれる新型ではまるで螺旋階段を駆け上るがごとく一続きで撮ってしまうのでほんの十数秒で済んでしまう。 この20年くらいの間の検査機械の進歩は本当に目覚ましいものがあります。一昔前までは最先端で非常に高価だったMRIだのPETだのといった検査装置も最近ではあちらこちらに導入され頻繁かつあたりまえに使われています。これはこれで結構な話ではありますが、よく考えてみると、疑問も残ります。

vol.10 に続く。  

 

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さて、50年近く前から最近に至るまでの若干のエピソードを元検事のお話を元に再構成しましたが、このあたりでまた私が10年前初めて酵素風呂に出会った当時からのお話に戻すことにします。

「その場所」に毎日朝夕2回通い始めたのですが、しばらくするとすっかり日課として定着しました。すると不思議なもので、何が何でも行かないと気持ちが落ち着かない。問題は、そこが定休日の時どうするかですが、そのときは他の店を探しました。ただしこの問題は店主の杉山さんのご厚意で、定休日であっても朝は仕込みの作業をするために店にいるので、朝だけ来店してもいいことになったので、お言葉に甘えることにしました。2週間に1回病院で血液検査をしていましたが、その日は半日つぶれるので1回しか酵素風呂に行けない。こんな日は欲求不満になったものです。

その血液検査ですが、毎回、肝機能や総コレステロールだのといった一般的指標を含む数十項目の数値が調べられるわけですが、中でも最も注目していたのは腫瘍マーカーというやつで、私の場合は大腸ガンでしたので「CEA」というのがマーカーの項目でした。CEAというマーカーは特に胃、大腸、S字結腸、直腸といった消化器系のがんによく反応するそうです。マーカーには多くの種類があって、すい臓がんならCA19−9、乳がんだったらCA15−3、前立腺がんならPSA、などのように各臓器、部位によってそれぞれ特異的にその部分のがんの動静をよく示すものがあります。腫瘍マーカーの種類や内容についてはネット上でも詳しく解説されているので、興味のある方は調べてみるとよいでしょう。血液検査で調べられるマーカーはがんの実勢を知る上でとても便利な指標とされていますが、実際には個人差があって、人によってはほとんど、あるいはまったく実勢が数値に反映されない場合もあるようです。私の場合は、何度もCT画像と比較対照した結果、肝臓に転移した大腸がんの実勢はマーカーに如実に反映されていました。最近ではもっぱら基準値(異常と正常の境目の値)が5.0のCEAが使われていますが、私の場合は基準値が2.5でした。 上行結腸(盲腸の上方)切除の時点ではすでに肝転移がありましたので、手術直後のマーカーは基準値を超えていて3.8あり、その2週間後には6.3に上昇。CTの画像では肝臓左葉の下部、胃に接するあたりに約3センチのほぼ真円の明確な黒っぽい影が見られ、その周囲にも5−8ミリ程度の細かい影が点在していました。幸いなことに右葉(左葉よりも大きい)には視認できる影は存在していませんでした。その2週間後のマーカーは8.9に上昇。そしてその次は13.4と着実に上昇を続けました。 

平成10年1月5日に入院、7日に上行結腸切除、同月22日に退院、その後ひと月ちょっとしてから知人の勧めで酵素風呂に毎日朝夕2回通い始めました。 通い始めてから2か月ほど経った時点でのマーカーは、さらに上がっていて18.4になっていたのでした。これには私も失望しました。元検事の爺さんは2か月で治るって自信たっぷりに言っていたのに、やはり眉唾だったのか? 少し不安になってきたのでした。それに主治医からは、幸運にも腫瘍は左葉に集中しているので、左葉だけの切除で治癒の可能性もあるからということで手術を勧められていて、私としては、酵素風呂の成果をみたいからとお返事を先延ばしにしていましたが、5月の連休中には決断することを約束していたのでした。そんなわけで4月下旬はやや落ち込んでいたのですが、そのころ、不思議な現象がありました。時折太ももに電気が走るようなピピッというしびれの感触を感じるのです。また、微熱があるような感じもありました。そんなのは初めての経験で、病気が悪化したせいでは?とまたもや不安になったものですが、この奇妙な現象は一週間くらいで消えました。マーカーは上昇を続けていたのですが、もう二度と手術はしたくないし、このやり方で何とか治してしまいたいと思い、毎日の酵素風呂通いはしつこく続けていて、とうとう約束の5月5日になりました。主治医には申し訳ないと思いつつ、私はやはり手術は受けないという意思を伝えました。しかし、検査だけは引き続きお願いしたいと言い添えました。院長には快く了解いただけました。その一週間後にCTを撮り、同時に連休直前にやったマーカー検査の結果を聞きました。何と前回18.4あったマーカーは、17.6とわずかながらも下がっていたのです。それまでの上昇率から推定すれば、25を超えていてもおかしくないはずなのに・・・。そしてCTの写真を見てまたまたびっくり。それは明らかに異常な光景でした。 左葉の大小様々な影は一つにまとまり、最大差しわたしが8センチくらいに大きくなっていて、形はいびつで、輪郭がややぼやけているのでした。「先生、これ一体どうなっちゃてるんでしょうか?」 「うーむ、こんなの今まで見たことないなあ・・・(そのあと無言)」 いずれにしても、何か大きな変化が起きたのは間違いないようでした。

vol.9に続く。

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