その自称元検事のことですが、実に興味深い人物でした。見た目では、60代半ばくらいかとお見受けしましたが、本人いわく74歳で1歳の子供さんがいらっしゃって、奥さまは38歳でなんと7人目の奥様だそうで、年の差36歳。年齢の割には肌はすべすべでしみもしわもほとんどなく、髪の毛こそ薄くはなっているものの、体格は立派だし、姿勢もいい。そして最大の特徴は、右腕上腕部の骨が無いのに右腕をちゃんと使いこなしているという点でした。それは世にも不思議な光景で、目撃した人は例外なく唖然とします。右肘の関節が存在しないので、そこから下の部分は360度いかなる方向にも向きを変えられるのです。それ自体は至極当然とも思えますが、にもかかわらず右手は完全に使えて趣味の大工仕事も自由自在で器用そのものなのです。お話によれば、仕事で比叡山の付近を公用車で走行中、70メートルの崖下に転落、運転手は即死し、自分は右上腕部複雑粉砕骨折の重傷で病院に担ぎ込まれ、医者の見立てでは、治癒の可能性はないので、肩から腕を切断するしかないとのこと。ところが、彼は腕とさよならしたくなかった。そこで思い出したのは、その昔お世話になった熱海の酵素医学研究所の酵素風呂でした。
包帯でぐるぐる巻きの右腕を抱え、病院を脱出し、熱海に向かったのです。 来る日も来る日も酵素風呂に入って半年が過ぎましたが、骨だけでなく神経も完全に切断していたので、手は相変わらず、全く動きません。やはりだめか・・と失望感に落ち込みながらも、それでもきっと治ると信じ、入り続けたのです。そうして八か月目に入ったある朝、右手の指先がピクリと動き、これでもう回復すると確信したそうです。その後は確信のとおり順調に回復し、間もなく右手は自由に使えるようになったそうです。 次回に続く。
包帯でぐるぐる巻きの右腕を抱え、病院を脱出し、熱海に向かったのです。 来る日も来る日も酵素風呂に入って半年が過ぎましたが、骨だけでなく神経も完全に切断していたので、手は相変わらず、全く動きません。やはりだめか・・と失望感に落ち込みながらも、それでもきっと治ると信じ、入り続けたのです。そうして八か月目に入ったある朝、右手の指先がピクリと動き、これでもう回復すると確信したそうです。その後は確信のとおり順調に回復し、間もなく右手は自由に使えるようになったそうです。 次回に続く。