私と英語の出会いは、音楽を通じてでした。中学生の1年か2年のころだったと記憶していますが、近所の友達の家に遊びに行ったときに、当時彼のお兄さんが大ファンだったアメリカの人気歌手、エルビスプレスリーのレコードを聴かされて、すっかり虜になってしまって、それからというもの、時々親に内緒でエルビスの映画を見に行くようになったのです。最初に見たのが「アカプルコの海」というので、メキシコの有名な景勝地、アカプルコが舞台でした。「ボサノバベイビー」っていう主題歌の一つがヒットしていました。
その次に見たのが「青春カーニバル」というのでした。この映画でエルビスは赤いホンダのバイクの後ろにギターをくくりつけて走っていたのがかっこよかったのでした。当時はまだレンタルビデオなどというものが無かったので新しく封切られた映画をその都度映画館に足を運んで観るしかなかったのでした。話に聞けば、「アカプルコ」以前にも「ブルーハワイ」とか「GIブルース」などいい映画がいくつもあったそうで、歌だけはサントラレコードを借りたり、買ったりして聞いていました。そのような過去の映画は後日TVやビデオで見ることになりました。

当時の私にとってはエルビスはまさしく神様よりかっこいい存在で、映画が始まり本人が登場すると、どきどき興奮したもんです。そして、自分もあんな風にかっこよく歌を歌ってみたいと思うようになり、飽きてしまってほったらかしになっていた7歳年上の姉のクラシックギターを借りる(というより奪ってしまい)皮のストラップをつけて、そいつをかき鳴らすまねごとを始めたのです。レコード屋に行くと、楽譜があり、ギターコードの図があったので、弦を押さえる場所を確認しがらAだのEだのCだのといった和音(コード)を少しずつ覚えていき、やがてそれらしく弾き語りができるようになって、好きなエルビスのヒット曲をレコードを何度も何度も聞きながら同じように歌えるように練習しました。その甲斐あって、中学卒業の頃には20曲ぐらいのレパートリーができたのです。英語の歌を真似して歌うと、自然に発音が身に付き、英語の勉強そのものも面白くなってきて、高校では、他の科目は全部最低でしたが、エルビスの歌のおかげで英語だけはいつも学年でトップクラスの成績でした。

ちなみに、エルビスと縁の深い有名人を列挙するとこうなります。
平尾正明、加山雄三、西田敏行、前川清、ミッキーカーチス、尾堂イサオ、宇崎竜童、小泉元首相、佐々木功(宇宙戦艦ヤマトの)、海外ではクリフ・リチャード、リッキー・ネルソン、ボビー・ソロ、ビートルズのジョンとポールなどなど・・・大勢居てとても書ききれません。

Part2 に続く



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