平成10年の春、私は5年生存率0パーセントの進行癌患者でした。
その前年の秋、健診で大腸がんがみつかり、翌年正月明けに切除手術を受けました。 その際、事前の検査では発見されなかった肝臓への転移が見つかったのです。 途方に暮れていた私は、知人の紹介で、ある民間代替療法を試みることにしました。 その民間代替療法とは、発酵作用で熱くなっている米ぬかの中に15分間埋もれているという至極単純なものでした。  来る日も来る日も朝夕2回その米ぬかに埋もれ、2か月後には腫瘍マーカーが下がり始め、それはやがて正常値となり、私の命は奇跡的に助かったのです。
この不思議な経験をきっかけに、当時営んでいた輸入の仕事に行き詰まりを感じていたこともあって、この代替療法を残りの生涯の仕事にしようと決心し、平成14年の5月に、酵素温熱免疫療法「米ぬか酵素」を開業いたしました。

早いもので、今年、開業10周年を迎えるにあたって、この10年間に得ることが出来た体験や読書を通じて得た知識、そして何よりもお客様達からの貴重なお話などから、病気の成り立ちや医療の問題について自分なりに考えてきたことをこのあたりで一旦文書に整理してまとめておく必要を感じて、この小冊子を作ることにしました。 世に健康や病気、特に昨今は癌について書かれた書物は非常に多いもののその発症のメカニズムについて簡単に解説しているものは皆無に近いのが現状です。 実はそのメカニズムを理解したうえで、免疫という視点から見渡すと、意外にも病気の成り立ちについての本質的な部分が見えてくるのです。

中心テーマは国民の三人に一人を死に至らしめている癌をはじめとする慢性病のおおまかな発病メカニズムについての私なりの解説ですが、基本的には単一のテーマを観点を変えながらいくつかの項目に分けて書いてありますので、それぞれの項目間で若干の重複がある点をご了解願います。この小冊子が、皆様が病気というものをより本質的に理解される上で多少なりとも参考になりうるとすればその目的は十分達成されたことになります。