20代半ばから40代後半まで輸出や輸入の仕事に携わっていました。今みたいにパソコンが普及する前でしたので、海外との取引はもっぱらFAXを使っていました。タイプライターという機械で手紙をタイプして、それをFAXするのです。私がその仕事に就いた当時はまだ一部で手動のタイプライターを用いていましたが、すぐに電動の機械が普及し始めました。中でも、IBM製の電動タイプは、それまでなかったゴルフボール状の印字ユニットを採用したおかげで印字スピードがそれまでのものより格段に早かった上に、メモリー機能もついていて入力した文字を記憶していて、自動訂正などができるといった優れものでした。当時25万円くらいしてかなり高い機械でしたが、上司に頼んで買ってもらったのを記憶しています。熟練したタイピストのキーを叩くスピードはものすごく早くて、通常は印字速度が追いつかないのが普通でしたが、このIBMのものはかなり追いついていました。手紙などは私自身も直接タイプしたものですが、部下の若い女性(島田市出身の美人さんでしたo(^▽^)o)はすごく早く打てたので、私が手書きで書きなぐった原稿を彼女に渡して打ってもらうようになりました。その後、ミシンで有名なブラザーという会社がより安価な電子タイプライターを発売するようになり、私も脱サラ後はもっぱらそれを使うようになったのです。ブラザーのものは、ゴルフボールではなく「デイジーホイール」という商品名の、まさにデイジーの花の形に似た回転式の印字を用いていました。

やがてFAXは時代遅れになり、変わってパソコンとインターネットによるEメールが主流になったのです。若い時から英文タイプに慣れ親しんできたおかげで、パソコンのキーボードにローマ字入力するのは苦になりませんし、平仮名入力より全然早いのです。パソコンでの文書作成は、よく工夫されたワープロソフトのおかげでものすごく便利になり、最早文章を手書きするなどということはあまりにも非能率で到底考えられなくなってしまいました。文章を書くという行為がより早く簡単に、しかも綺麗に仕上げられるということが意味するのは、より多くの情報をより速い速度で、かつ正確にやりとりができるということでしょう。この意味でコミュニケーションの電子化は大変結構なことだと思います。ただし、心を込めて筆やペンで書いた手書きの手紙などは、単なる情報の伝達ではなく、そこはかとない人間らしい感情を伝える力を持っているという意味でとても価値あるものでしょう。TPOが大切ということですね。

話は変わりますが、先ごろご案内しましたように9月1日に米ぬか酵素グループの加盟店募集説明会の第二回目を開催します。今年3月に1回目をやりましたが、この時の反省から、今回からはプロジェクターを使って説明に必要な画像を映し出すことによって、説明を分かりやすく、かつ漏れのないようにしたいと考え、そのためにEPSONのOffirioという装置を購入し、投影すべき画像を作りPCに保存してきました。

プロジェクターといえば、昔は幻灯機といい、写真などの画像をポジティブのスライドフィルムにしておき、それを強力な電球の前でリモコンあるいは手動でスライドさせ、次々に画像をスクリーン上に投影するというものでした。極めて単純なメカでしたから価格も安く、家庭にも結構普及していたものです。現在では、静止画像も動画もすべてデジタルで保存されるようになっていますから、プロジェクターはパソコンとUSBケーブルで接続してPC画面をそのままスクリーン(白板でも黒板でも白壁でもなんでもよい)に投影できるというわけです。さらには音を出すことも可能ですから、たとえば、ビデオに収めた講演会の模様などを研修のために社内で大勢で一緒に観るなどいうこともできるわけです。

現在ではあらゆる場面でこのようにしてビジュアル化されたpresentation(略して「プレゼン」というそうだが)が大流行りといいますか当たり前になっているようです。ビジネス社会では時は金なりです。限られた時間でもっとも効率よく情報、企画、計画、意見などを伝達しなければなりませんから、当然このようなやり方にならざるを得ないでしょう。また、これにプレゼンターの熱意ある肉声がプラスされることで、emotionalな意味で説得力が増大することが期待できます。

今年2回目の米ぬか酵素加盟店募集説明会を開催するにあたって真っ先に思いついたのがこれでした。さて数ヶ月前に方針は定まったものの、何分浦島状態(´;ω;`)の私にとっては全てが初めての経験になります。先ずは投影する内容とその順番を考えました。次に、その内容を具現化するわけです。手書きの図をスキャナーでPCに取り込むのが一番簡単そうに思えたのですが、やはりかなりの手間がかかるし、美しく作る自信もありません。本当はグラフィックソフトを用いるのが最高なのでしょうが高価ですので、とりあえず今回はワードを使ってチャレンジすることにしました。今まで文章は沢山書いてきましたが、図表を作ったことは無かったのでうまくできるか不安でしたが、ツールバーにあるいろんなボタンを試しているうちにだんだん要領が飲み込めてきて、なんとか20枚ほどの資料を作ることができたのです。とにかくワード・エクセルの機能の豊かさにはびっくりです。こういうのはどんどん試していじくり回して慣れ親しんでいくのが最善の方法だろうと実感した次第です。


Part3に続く