もう5,6年前のことですが、ある本に「般若心経を毎日100回唱えると奇跡が起きる」と書いてあるのを読み、そのとおり実行してみたくなり、まずはそれがいったい何なのか知るために関連書籍を読み漁り、お経のCDを聞いたり、何百回も書き取り練習したり、暗唱の練習を繰り返した結果何週間かで暗唱と写経はマスターできました。
自分なりに若干の節回しとリズムをつけて毎日唱えない日はありません。 今では真言宗のお坊さんよりも上手に唱えることができるようになりました。

解説書などを読むと、仏教の立場から何やらややこしい説明が述べられていますが、いくら読んでもよくわかりません。 ところが、ただこうして毎日唱えていると、それは何の抵抗も無くなり、スーッと心に入り、直感的に分かった気分になります。

私にとっての般若心経は「真言」すなはち「真実の言葉」であります。
お釈迦様はただ単に古代インド哲学における宇宙の真実を述べたに過ぎないのだと思います。
そしてその真実はアインシュタインが1905年に発表したあの有名な方程式によって現代物理学の理論として蘇り、現在私たちはその理論の応用による多大な恩恵を受けているのと同時に核兵器の脅威や原発事故のようなリスクも負っています。 私にとって「色即是空」は「物質=エネルギー」に相違ありません。 つまり空はエネルギーであって無ではない。 目には見えずとも確かに存在する。

その後量子論や素粒子物理学によって現代科学はニュートン以来の古典的物理学とは完全に様相を変えてきてしまっていて、今やその超常識的理論はオカルトや宗教の分野をも完全に凌駕してしまった感があります。 

どうやらこの世界には物質も形も色も匂いも味も一切存在しないらしい。 だから汚いも綺麗も無いし、増えたり減ったりすることもないし、死ぬことも生きることもまた無い。 あるのはエネルギーの揺らぎと濃淡だけで、それを私たちは脳の内部で勝手にそのような感覚に変換しているだけの様です。 すべては幻に過ぎない。 般若心経はその認識をすべての思考の前提としてはっきり持ちなさいと告げているのではないかと思います。

後日Part2につづく