免疫というと、一般的には、インフルエンザのワクチン接種に代表されように、体内に問題が発生しない程度の抗原を入れ、白血球にその抗体を作らせるための経験を植え付けるといったことが思い浮かびます。 確かにそのようにして感染症に対処するために強化された能力も免疫機能のひとつではありますが、近年の研究によれば、免疫は感染症のみならず、常識を超えてはるかに広範囲に私たちの健康や病気と関わり合っていることが分かってきています。  それでは、どのようにして関わっているかについて考えてみたいと思います。
  
おおまかに二つの関わり合い方があります。 一つには、免疫システム自体が弱体化して免疫細胞の数が減少して十分に働くことができなくなっている状態が引き起こす病態。 もう一つは、免疫システムの弱体が免疫システムの内部バランスを崩して、攻撃的免疫細胞の活動をコントロールできなくなくなっている状態が引き起こす病態です。  最初の状態が引き起こす病態の代表は癌で、インフルエンザ、風邪、結核、肺炎等々の感染症や、ヘルペス、帯状疱疹なども挙げられます。 後者に当てはまるのはいわゆる自己免疫疾患と呼ばれる病態で、具体的にはリウマチ、膠原病、クローン病やアトピー、喘息などのアレルギー症状をはじめ、意外にも糖尿病、甲状腺障害などの内分泌異常、その他多くの慢性的内臓疾患も挙げられます。 

このように、感染症も慢性的疾患も、そのほとんどの病態がその根底のところで免疫不全と関わっていると考えられます。 それらは西洋医学では従来別々の病気としてとらえられていたものですが、免疫という観点から見ますとそのすべてが免疫機能不全が引き起こす各種症状、すなわち免疫不全症候群とみなすことができるようになります。 つまり、従来は別々の病気としてとらえられ、別々の診療科で別々の対症療法が試みられてきたわけですが、そのすべてが免疫不全という体全体で共通の根本原因から発生しているということであれば、最善かつ万能な治療は免疫不全の解消意外にはありえません。  

免疫不全は大抵ひとつのみならず、いくつもの要因が絡み合って起きるものと考えられますが、それが様々な病的な症状を生み出すには、大抵はその症状が発生する一歩手前の状態の時に何かちょっとしたきっかけが引き金となり、結果がさらなる原因になるという負のスパイラルに誘導してしまうことによってもたらされるというのが経験的に得られた結論です。 この何かのきっかけというのはいろいろあって、例えば、疲労、睡眠不足、風邪、化学物質との接触、気温などの外部環境の変化などが挙げられますが、普通は問題にはならないような程度のことが引き金になります。

免疫不全から脱出するには、それをもたらした要因をひとつひとつ取り除くのと同時に、負の連鎖を断ち切る努力が必要です。  ところが、その要因というのが悲しみや苦しみ、不安や心配といった心の問題であったり、あるいは、家庭や職場の人間関係といった、解消するのが容易でない場合も多いのです。  そこで、より手っ取り早いやり方としては、物理的手段を用いて負の連鎖を断ち切って正の連鎖に切り変えていくという方法になります。  免疫を司る自律神経系は大脳すなわち心の影響を強く受けています。 これは必ずしも一方通行というわけではなく、自律神経系は逆に心の動きをも左右しますから、外からの物理的刺激や情報によっても、マイナスの連鎖をプラスの連鎖に切り替えていくことが可能というわけです。  そして、その切り替えに成功し、プラスの連鎖が始まると、それまでとは逆にあとは急速に症状の改善が進むことになります。

負の連鎖を断ち切るためのもっとも効果的手段として誰にでもお勧めできるのが体を温めながら効率よく酵素を取り入れることができる酵素温熱免疫療法というわけです。