放射線
手術や抗がん剤に比べると、放射線はまだましではないかと想像される方も多いようですが、これは全くの誤解と言えます。   主に二つの点で危険です。
後遺症と免疫低下です。   放射線は強力なエネルギーを持った電磁波です。
それがDNAを破壊しますからアポトーシス(自滅)を起こすような出来損ないの細胞を生み出すことになります。   つまり放射線を浴びた細胞はまともに組織を形成することができなくなりますから癌の組織も崩壊することになります。  癌組織だけに照射できればよいのですが、それは不可能です。
癌組織の前後の組織が放射線に曝されるのを防ぐ手立てはありません。
DNAを損傷されながらも生き残った出来損ないの細胞は潰瘍を作り、なかなか修復されませんから、長期間出血が続いたりすることになります。
無論このような状態が続けば新たな発癌のリスクも高まるというわけです。
そして、手術の場合同様、照射の標的はあくまでも、検査によってその位置が特定された癌組織だけですから、発見できなかった転移巣はそのまま残ります。
もう一つの問題は、たとえピンポイントの照射による局所的な攻撃であっても、その影響は全身に及ぶということです。   これまた手術の場合と同様で、たとえ本人が苦痛を感じなくとも大脳視床下部に伝達された傷害を受けているという情報により交感神経が優位になり、リンパ球が減少し癌に対する免疫が低下しますから、癌組織の増殖とさらなる転移を誘発しやすくなります。   手術の場合は大抵半日以内に終了し、1週間も経って切開の傷が修復されれば自律神経は安定してきますが、放射線の場合は事情が違います。  一度に多量の放射線を浴びせるのは危険ですから、一回に照射する線量はわずかです。  それで、小出しにして毎日行いますから、治療は一か月以上の長期にわたります。   しかも、放射線による障害はDNAを損傷するというその性格上なかなか修復されません。   つまり、患者は緩やかであっても長期間にわたって恒常的ストレスに曝されることになり、慢性的自律神経失調と免疫低下に陥ることになります。   この事実は血液検査の結果においてリンパ球比率の減少としてはっきり表れてきますし、回数を重ねるにしたがい、冷えや倦怠感として自覚されるようになります。   そもそも医療現場では放射線が免疫低下を招くという認識がありませんから、それが原因で発生した転位部位にさらなる放射線照射を行うなどという愚を繰り返してしまい悪循環に陥り、回復不能になります。

以上、癌の三大療法についてその実際をみてきました。  そのすべてに共通して言えることは、それらの治療が皆、病気の治癒にとって最も大切な免疫システムを破壊するものだったという事実です。  現代癌医療においては、免疫という生命維持の根源とも言える本来強力で素晴らしいメカニズムについての理解と畏敬の念が絶望的に欠如しています(と言いますか、何かの事情で意図的に無視されてきたというのが本当かもしれませんが)。  その結果として毎年30数万人もの人々が長い闘病生活で散財させられた挙句絶望と苦痛の内に亡くなるという悲劇が延々と繰り返されています。