米ぬか酵素のブログ

米ぬか酵素浴を用いた「酵素温熱免疫療法」の紹介とグループ代表の体験談や論説。

この世界は空(くう)であるという般若心経の教えは、同時にこの世界には物は一切存在しないという真実を断言しているわけですが、それならば世界は空虚で虚しいもので、一切を否定すべきものかというと、それは全く逆であって、空であることを理解するというまさにその行為によって初めて、この現実世界がこよなく大切で愛おしいものに感じることができるようになるのだと思われてなりません。

空なればこそ万物が愛おしい。 物も生命も、刻一刻と変容するエネルギーの揺らぎが生みだすほんの一瞬の濃淡に過ぎないからこそ無限大に貴重に思われるのです。 エネルギー不変の法則というのがあって、その総量は増えもしなければ減りもしない。  ただその在り様が止まることなく不断に変わるだけなのです。  まさしく諸行無常であります。

人の一生だって、無限の過去から無限の未来の中での一瞬の火花の閃きのようなもの。 100年の人生もあればその半分の人生もある。 どっちにしても実際過ぎ去ってしまえば、一瞬の出来事です。  したがって問題は長さではなく、その一瞬をどのように生き抜くかというそのプロセスこそが誰にとっても人生最大の課題であるはずです。

ここで最大の難問にぶつかります。  あらゆる物質は、分子、原子、原子核、陽子、中性子、そしてそれらを構成する素粒子クウォークのエネルギーに行き着くとされているのですが、それが濃淡を持ち、まだら状になって濃密な部分と希薄な部分に分かれていて、その濃密な部分を物質物体として光、色、音、匂い、味、そして電子の反発力としての感触として私たちの感覚神経が感知した情報を脳の内部で再構成して物としてさらには世界、宇宙として認識するに至るわけですが、それでは、このエネルギーの濃淡のまだらを作り出しているのは一体どんな仕組みなのでしょうか。

ひとつの仮説としては、素粒子間で引力あるいは、反発力のようなものが働いていて、引力が優勢なところでは密度が高くなり、逆に反発力が優勢なエリアでは密度が低下するのではないかと考えられます。  空、すなわちエネルギーは常に揺らいでいて、天気図の気圧配置における高気圧と低気圧のごとくランダムに密度の高低ができ、高低のそれぞれが連鎖的かつ多重的に拡大もしくは縮小しながら移動していくという具合になっているのではないでしょうか。

世の中には専門馬家という輩が大勢居てアリの巣のような狭い世界で偉そうな顔をして自己満足に浸っています。  彼らの脳味噌にはどうでもいいようなくだらん知識が目いっぱい詰まっていて、重箱の隅をつつくような枝葉の議論や研究に明け暮れて、その分野における専門家であるということを世間にアピールし優越感を感じながら、それを出世の材料にしようとしたりします。

このような輩は大学の研究室の中なんぞで彼らだけのオタッキーな世界に閉じこもっている限りは無害無益でありますが、ひとたび実社会に這い出てくると、有害無益で厄介な存在になります。 このような人種に遭遇する機会が最も多いのが医療現場で、特に各地の大学病院とか癌センターなどはその典型でしょう。

各地の癌センターなど、癌の専門病院と称される施設では、途方も無く高価で複雑なコンピュータシステムを駆使した最新鋭の診断機器を備え、それでもって患者のあらゆるデータを収集分析し、得られたデータをガイドラインなる公式治療マニュアルと照合し、扁平上皮癌だの腺癌だのと分類したり、侵潤や拡がり具合や転位の有無などによってその進行度合いを判別しステージなるものに分類しては治療方針を決定しています。  その詳細かつ馬鹿げたデータは、おごそかで権威ある説得資料として患者に提示され、患者は否応なく古式ゆかしき三大療法を中心とした野蛮な治療の犠牲になります。

どんなに詳しく調べて分析したところで、治らなければ何の意味もありゃしません。 医療の目的は患者の命を助けることに外ならない。 知識はあってもモラルが欠如している彼らの頭からはこのあたりまえのことがすっかり抜け落ちているとしか思えないのです。


がん治療について考えることは非常にたくさんあるのですが、知っておくことがとても大切だと思える極めて単純な事実があるので、簡単に書いておきたいと思います。

それは手術と放射線治療に関してです。 あたりまえですが、手術も放射線治療も、CTなどの検査でそこにがんの病巣が存在することを確認してから行います。 したがって当然事前の検査で確認できない病巣は治療の対象になりません。  それではCT, MRI, エコー、はたまたPETなどを総動員してすべての病巣をすべて発見できるかといえば、答えはノーです。  これらの画像診断で確認できる病巣は最小でも直径5ミリ以上とされています。  それより小さながんはどんなに精密な検査でも発見できません。 そんなに小さいがんなんてとるに足らないから見逃しても心配無用と言えるでしょうか?  ご存じでしょうが、直径1ミリのがんでも、計算上はおよそ100万個のがん細胞の塊です。 そしてどんながんでも、最初は1個のがん細胞から始まるのです。

そのような微細な転移がいくらあっても、発見できなければ転移は無いということになって手術と放射線治療は実行されます。  免疫力が十分機能しておれば、(つまり、癌を制圧するリンパ球の数と活性度が十分であれば)これらの微細転移は抑制され、大抵は大きく増殖せずにやがては消滅する場合が多いのですが、手術と放射線による侵襲的刺激は交感神経を刺激してリンパ球を激減させます。 つまり、がんに対する抵抗力が低下することになり、その結果、それらの微細転移巣に増殖のチャンスを与えます。

原発巣が首尾よく手術で切除あるいは放射線で完全に破壊できれば安心と言えるでしょうか?  がんは全身病ですから実は一か所だけでなく、むしろ何ケ所かで同時多発的に発生し、その転移も必ずあると考えるのが妥当です。 ただ発見する手段がないと考える方が自然でしょう。  そして、それらの治療によって微細転移の増殖のリスクはむしろ高まっていると考えるべきなのです。  実際、3年とか5年、あるいは10年以上経ってから再発、転移などというケースが非常に多いわけですが、そのルーツはすべてここにあるというわけです。

ですから、そのような治療はできるだけ受けないのが理想なのですが、不覚にも受けてしまったあとでは、その治療によって弱体化した免疫力を復活させることに全力でとりくむべきなのです。  その具体的な方法はいろいろあるでしょうが、もっとも大切なことは、体温を高めに維持して免疫細胞が効率的に働ける環境を保つということです。  同時に、体温の低下を招く要因を排除することも当然大切です。  体温を低下させる最大の原因は血行不良です。  血管が収縮すると血液の流れが悪くなります。  血管が収縮する原因は慢性的に交感神経の緊張をもたらす自律神経の失調です。  過労、冷え、不安、心配といった様々なストレスが長期間継続すると慢性的に血行不良となります。  血流が不足すると、細胞に十分な酸素と栄養素が供給されにくくなりますし、老廃物の排泄も滞ります。 これによって全身的に代謝が低下し、体温も低下し、その悪循環のスパイラルが結果的に免疫細胞の活性も奪います。 ですから、免疫力を復活させるためにはその逆のことをすればよいわけです。  体が冷えないようにいつも温かく保ち、仕事はほどほどにして十分休養をとること。  希望をもって心を前向きにし、済んでしまったいやなことはすぐに忘れ去るように心を切り替えたりします。

また代謝の向上には体内酵素の量と活性だけでなく、その量も重要です。 体内酵素は本来細胞の中でアミノ酸とミネラルを原料として合成されていますが、鉄、銅、亜鉛などの鉱物であるミネラルは環境から摂取するしかありません。 摂取可能なミネラルはあらゆる動植物の細胞内に含まれていますから、普通食事をすることで摂ることができます。  ところが昨今の農薬や合成肥料の濫用によって野菜に含まれるミネラルが極端に減少しているばかりか、精製された加工食品からはわざわざミネラルが除去されています。
したがってこのような食品に依存している現代人のほとんどがミネラル不足になり、体内酵素不足に陥っていると考えられます。  また食生活に十分気をつけてミネラルを摂っていても、加齢による代謝低下で酵素を合成する能力そのものが落ちてきます。  さらにストレスによって発生する活性酸素の消去によっても酵素が消耗されます。

それならば酵素そのものを摂取すればよいのではという考えがでてきます。 あらゆる生物は自分で酵素を合成し、その触媒作用で生命を維持していますから、普通に食事することで酵素も体内に入りますが、口から入った酵素がそのまま体細胞に取り込まれるのは極めてわずかでしかありません。  何故なら、酵素はアミノ酸とミネラルが結合した蛋白質だからです。  タンパク質は消化の過程で一旦アミノ酸に分解され、細胞に取り込まれてからDNAの情報にしたがって必要な蛋白質が合成されるようになっています。  つまり食事で摂取できるのは酵素の材料に過ぎず、酵素そのものではないということになります。  このことは、植物から抽出した酵素、あるいは、酵素が豊富とされる健康食品などについても同様です。  無論ゼロということはありませんが、対費用効果は非常に低いのです。  酵素そのものをより効率的に摂取するには、消化器官を経由せずに、直接体表から吸収する方法がよいということになります。  有害化学物質に接触する機会が多いと発癌することからも、あらゆる物質は分子レベルのサイズなら皮膚の表面から体内の細胞に入っていくことは明らかです。

絶対におすすめできないのが、経口、点滴いろいろあるようですが、予防的抗がん剤の投与という毒物投与です。 体内に入った毒物は主に肝臓で解毒されますが、その際に多量の酵素を消耗してしまうからです。 そのような行為は何の効果も無いばかりか逆に免疫力を低下させ、さらなる転移と新たな発がんのリスクを高めるばかりですから絶対にやってはいけないと考えています。

もう5,6年前のことですが、ある本に「般若心経を毎日100回唱えると奇跡が起きる」と書いてあるのを読み、そのとおり実行してみたくなり、まずはそれがいったい何なのか知るために関連書籍を読み漁り、お経のCDを聞いたり、何百回も書き取り練習したり、暗唱の練習を繰り返した結果何週間かで暗唱と写経はマスターできました。
自分なりに若干の節回しとリズムをつけて毎日唱えない日はありません。 今では真言宗のお坊さんよりも上手に唱えることができるようになりました。

解説書などを読むと、仏教の立場から何やらややこしい説明が述べられていますが、いくら読んでもよくわかりません。 ところが、ただこうして毎日唱えていると、それは何の抵抗も無くなり、スーッと心に入り、直感的に分かった気分になります。

私にとっての般若心経は「真言」すなはち「真実の言葉」であります。
お釈迦様はただ単に古代インド哲学における宇宙の真実を述べたに過ぎないのだと思います。
そしてその真実はアインシュタインが1905年に発表したあの有名な方程式によって現代物理学の理論として蘇り、現在私たちはその理論の応用による多大な恩恵を受けているのと同時に核兵器の脅威や原発事故のようなリスクも負っています。 私にとって「色即是空」は「物質=エネルギー」に相違ありません。 つまり空はエネルギーであって無ではない。 目には見えずとも確かに存在する。

その後量子論や素粒子物理学によって現代科学はニュートン以来の古典的物理学とは完全に様相を変えてきてしまっていて、今やその超常識的理論はオカルトや宗教の分野をも完全に凌駕してしまった感があります。 

どうやらこの世界には物質も形も色も匂いも味も一切存在しないらしい。 だから汚いも綺麗も無いし、増えたり減ったりすることもないし、死ぬことも生きることもまた無い。 あるのはエネルギーの揺らぎと濃淡だけで、それを私たちは脳の内部で勝手にそのような感覚に変換しているだけの様です。 すべては幻に過ぎない。 般若心経はその認識をすべての思考の前提としてはっきり持ちなさいと告げているのではないかと思います。

後日Part2につづく

アップルコンピュータの創始者スティーブジョブズ氏が死去しました。
この若き巨人の早すぎる死に哀悼の気持ちを捧げたいと思います。

35年前の1976年、20歳の学生だった時、一人の友人と共に自宅のガレージで世界初のパソコンを作り始めた彼は、将来それが世界を変えることになるなど想像していたでしょうか。 (漠然としていたでしょうが絶対に想像していたと思います)  いずれにしても彼が20世紀に出現した世界最大のカリスマのひとりであることは間違いないでしょう。

ジョブズ氏は発明家、起業家、経営者としてだけではなく、思想家としての側面もあったようです。 彼が思い描いていた世界が一体何だったのか、その思想についてこの機会に少し勉強してみたいと考えています。  予備知識がゼロの私が今想像できることは、僅かにも次の様なものです。  彼がガレージで将来世界を変えることになる道具を作り始めた当時、コンピュータはすでに存在していました。  それは巨大企業のIBM(インターナショナル ビジネス マシーンズ)が作っていた主に役所や企業や研究所向けの計算機でした。  それは巨大で高価でとても個人が扱うような代物ではありませんでした。  大量の情報を瞬時に処理できる能力は単なる計算だけではなく、もっと別の使い方を可能にするのではないかという着想があったはずです。

当時時を同じくして開発されていたアメリカ国防省の軍事情報ネットワークは今やインターネットとして全世界に普及拡大し、パソコンはその情報端末としてテレビ同様ほとんどの家庭で便利に使われているし、携帯電話も電話としての機能を逸脱した小型携帯パソコンとして皆が持ち歩いています。 今や急速に普及しているスマートフォンもアップルが最初に発売しました。  このようなインターネットと情報端末の普及が世界をどのように変えてきて、これから先どう変えていくのでしょう。  こんなことを考えていると楽しくなってきませんか。   


人間は宇宙の思惑に沿って生きるべきであって、また、そうすることによってのみ人は本当に幸福な人生を生きることができるのだと思います。

それでは宇宙の思惑とはどのようなものでしょうか。

それはビッグバン以来140億年かけて地球という天体を生み、そこでは、大気、気温、大地の組成などといったあらゆる環境がアミノ酸を生成しタンパク質や核酸を構成するために最も適した条件に調整され、38億年前に原初のDNAを持った単細胞の微生物として生命を誕生させ、その当面の究極としての人類まで進化させてきた際限も無く偉大な力を行使してきた意図的で計画的な企てでありましょう。

単細胞の微生物は合体し協力しあうことで猛毒であった酸素でさえもエネルギー源として利用出来るようなより高度で核を持った微生物になり、それら真核生物は合体と役割分担と機能分化を繰り返すことによって組織、そして社会としての多細胞生物となり、それらは自分たちの先祖である単細胞微生物とも共存しながら多様な生態系を構成し、その集合体としての緑の地球(ガイア)を創り上げたのです。

進化の最終段階としての哺乳類にあっては、生命体組織の全体を統制する中枢としての脳神経システムが極度に発達し、その頂点としての人類が出現し、社会を創り、都市を創り、国家を創り、文明を発展させてきました。

このように見てきますと38億年に及ぶ生命進化の歴史とは様々な紆余曲折を経ながらも協力と共存共栄を模索し、それによって理想の世界を生み出そうとしてきた歴史であったことが理解できます。  それは寛容の歴史と言い換えることもできるでしょう。   他者を裏切り、騙し、奪い合い、殺し合うのではなく、理解し、赦し合い、受入れ合い、助け合い、生かし合う。  自分同様に他者をも愛し、慈しみ合う命の尊厳を大切にする生き方こそが生命進化の頂点に立つ人間としての本来の姿であり使命でもあるはずです。

進化はこれで終わってしまったのでしょうか。   科学者の計算によれば、数十億年後には地球は膨張した太陽に飲み込まれ、やがては大爆発の末宇宙空間を漂うガスに変わることになっています。  そんなに先でなくても、近い将来巨大隕石が衝突し、巻き上げられた粉塵が太陽光線を何十年も遮断して微生物以外のすべての高等生物が絶滅する可能性もあるそうです。

たしかに、そのような事態も起こりえるのかもしれませんが、よくよく考えますと、それでは宇宙の思惑は永久に成就されないことになります。  宇宙の思惑は生命体としてとりあえずの頂点を極めた人間を生かし続け、人間自らが目覚めることによって、さらなる進化を遂げることを求めているはずです。 その進化は単なる過去の継続、つまり、科学技術や機械文明を進歩させ、限りある地球の自然からより多くのものを収奪して利益を得るといった利己的で有限で刹那的で物質的なものではなくて、次なる段階としての魂と精神の進化、即ちスピリチュアルな進化であるはずです。  これは西欧自然科学流の征服と収奪の思想ではなく、東洋的で仏的ともいえる和と寛容を重んじる慈悲の世界観でなくてはならぬはずです。  

私利私欲にとらわれず、自分同様に他者の幸せをも願う心を持ち続ける生き方こそ宇宙の思惑に沿った生き方ですから、宇宙はそれを実行しようとする者たちを確実に擁護するように取り計らおうとするのは当然のことでしょう。

厚生労働省の統計によれば日本全国で毎年100万人を少し超えるくらいの人が亡くなっています。  おおまかな内訳は、その3分の1が癌、そして3分の1が心臓病と脳卒中に代表される血管障害、残り3分の1が、肺炎、不慮の事故、自殺、老衰、その他・・・といった具合です。  つまり、国民の3人に一人は癌で死亡し、3人に一人は心臓病か脳卒中で亡くなっていることになります。

保険適用の医療に費やされる支出の総計である国民医療費は35兆円にのぼり、その内少なくとも15兆円は癌医療の関係となっていて他の分野に比べて突出しています。
毎年これだけの莫大な出費をしても、その大部分を占める癌をはじめとする慢性病の患者と死亡者は増え続ける一方で、その結果病院はいずこも満杯で医師不足、看護師不足が深刻化しているのが現状です。   その原因を高齢者人口の増加、ライフスタイルの変化や環境の悪化による罹患率の増大に帰するのは容易でありましょうが、私はむしろその最大の要因は予防医学の軽視と、薬物による対症療法にのみ頼っている現代西洋医学の限界にあるとみています。  現代西洋医学は国から認められた唯一の正統的医学として優遇され公的健康保険が適用されていますが、慢性病に限ってはその西洋医学が本当に唯一最良の医学であるのか甚だ疑問です。  

確かに18世紀中頃から西欧で発展してきた西洋医学は、ペストやコレラといった伝染病対策、あるいは、戦場の負傷兵救護に端を発した救急救命医療の分野において目覚ましい威力を発揮してきたのですが、時代の推移とともに対処すべき問題の中身が変化してきて、統計が示しているように現在我が国では感染症はむしろ稀であって、癌、血管障害をはじめとする慢性疾患が主流になり来院患者のおよそ9割を占めるようになっていて医療費の大部分がそこで消費されています。   このような慢性疾患については明確な原因究明もなされておらず、予防教育も徹底されていません。  また、その治療についても対症療法しかありませんから、アトピーひとつ根治することができないばかりか、薬物の濫用による数々の弊害は問題を一層困難かつ複雑にして結果的には人々に苦痛をもたらすばかりか医療費を増大させ税負担を重くし、国民生活を圧迫する一つの要因にもなっています。  この大問題を一歩でも解決に近づけるためには国民一人一人の大胆な認識の転換が必要でありましょう。
   

生態系を構成するあらゆる種類の生物の中で最も重要な役割を果たしているのが微生物です。 微生物が存在しないと植物は存在できず、植物が存在しなければ動物も存在できません。 つまり、微生物は地球上のすべての生命を支えているというわけです。

土壌には通常大量の鉱物の微細な粒子が含まれていますが、それが植物の根から吸収されるには、水に溶けた状態になっている必要があります。 土壌中の鉱物粒子はいくら小さいといっても、水に溶けるには巨大過ぎますから、水の分子と混じり合うには分子レベルのサイズにまで小さくなっていなければなりません。 金属の粒子をそこまで細かく加工するのは機械的な工程では不可能です。 実はその加工をやってくれているのが微生物というわけです。 したがって、農業に適した肥沃な土地というのは微生物が生存するのにその環境が適している土地ということになります。 そこでは、多くの微生物たちがせっせと土壌中の金属粒子を細かく細かく消化してくれていますから、そこの水分には、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、カリウム、などの多くのミネラルが溶けていることになります。 植物はそのミネラル豊富な水を根から吸い上げ、アミノ酸を合成し、酵素を作り、光合成を行いタンパク質や糖分やでんぷんなどを合成し成長します。
草食動物がそれを食べて消化吸収して成長し、今度は肉食動物がそれを食べ、植物と動物の死骸や排泄物は微生物が分解し土に戻ります。 そして、この究極的リサイクル活動が何億年も続いています。

病害虫を防ぐために農薬を使用して土壌の殺菌を続けると金属粒子を消化してくれている有用な微生物も死滅しますので、植物は土壌中の水分から十分なミネラルを吸収することができなくなりますからミネラル不足の貧弱な植物になります。 それを食べる動物はミネラル不足の動物になります。 ミネラル不足の動植物を食べて生きる人間も当然ミネラル不足になり、体内酵素が不足しますから、代謝と活力が低下し、免疫が低下し、病気が蔓延し、薬物の使用がさらに酵素を消耗するといった具合に多くの現代人がその悪循環のスパイラルに堕ち込んでいるように思われます。 工業化に伴う環境中の有害化学物質の増大や高蛋白高脂肪高カロリーの食生活などと並び、先進国で癌や糖尿病などの慢性病が蔓延している要因のひとつとして数えることができるでしょう。

前項で自律神経の失調を引き起こす根本原因がストレスであると言いました。
そこで、ストレスについて少し詳しく観てみたいと思います。
普段ストレスと呼んでいるものは本来はストレッサー(stressor)であり、ストレス(stress)を与える有害因子のことです。  ストレスには心理的なものと物理的なものとがあります。  そしてストレスには一時的なものと継続的なものがあります。  一時的なストレスは限定的であって、それが消えればその影響も消えて一旦は撹乱された自律神経もすぐに元の状態に戻りますからその影響は限定的です。   問題はむしろ、継続的ストレスにあります。  
たとえ、それが比較的軽微なものであっても、長期間継続することによって自律神経の失調が慢性化し、その結果免疫不全が固定化します。  一時的ストレスの例としては、突然の驚き、恐怖などがあり、一方、継続的ストレスは心理的には、悲哀、心配、不安、不満、絶望、嫌悪、憎悪、怒り、ねたみなどのマイナスの感情を長期間抱き続けたり、そして、物理的には、過酷な労働環境、騒音の持続、継続する苦痛、極端な暑さ寒さ、異なる文化圏への赴任、引越や移住、災害避難などによる生活の変化といった環境的要因が多いのです。   物理的ストレスにはそれ以外にも、直接皮膚や粘膜やDNAを傷害するような毒物、アルコール、タバコの煙、農薬、殺虫剤、塩素、紫外線、ウイルス、放射線、電磁波、有害化学物質などが近代化と並行して身の回りに無数に存在するようになり、免疫不全と相まって発癌の要因ともなっています。   ここで重要なことは、このような物理的ストレスが単独で発癌の原因になるというのはむしろ稀なケースであろうということです。   と言いますのは、私たちが本来持っている自己治癒、自己修復システムは非常に強力であって、ある程度の物理的ダメージにも余裕を持って耐えられるような仕組みになっているからです。
問題は、継続的心理的ストレスによって慢性的自律神経失調、つまり、免疫機能不全に陥っている状態にそのような物理的ストレスが加わった場合です。
この場合は自己修復が不完全になりますから、その病態が様々な症状を生み出すことになり、病気と診断されます。  このケースの具体例としては、病気で夫が急死して、喪失感と悲しみで自律神経失調になり、免疫不全となり風邪をこじらせ、続いてリウマチを発症するというのがあります。  免疫不全ですので、感染症にかかりやすく、なかなか治りません。  それでも、菌に対して攻撃的免疫が活性化します。  機能不全により、行き過ぎの免疫を抑制する役目を持ったサプレッサーT細胞が機能せず、攻撃的免疫にブレーキがかからないので暴走を起こし、相手構わず自分の組織まで攻撃してしまうようになり、自己免疫疾患のリウマチという症状を発症することになります。

その人にとって、何がストレスになり、そのストレスをどの程度感じるかというのには個人差がありそうです。 これは人によって異なるストレス感受性であって、それは遺伝的要因と幼児期の環境により形成された性格に大きく影響を受けるに違いありません。

感染症も難病とされる慢性病もほとんどあらゆる病気において免疫不全がその発病とその後の経過(予後という)に密接に関わっているということが理解できると、今度はその原因を知ることが重要であり、結果的に病気を予防し、また正しい治療の方法も見えてくるということになるでありましょう。 言い方を変えるならば、私たちが普段病気と考えているものは病気そのものではなくて、その根底には免疫不全という本当の病気が存在するということです。

それでは、免疫不全に陥る原因を考えてみましょう。
これには順番があります。 最初の原因がある状態を引き起こし、その状態が原因となって次の状態を引き起こす。 それがさらに原因となってさらなる結果を生み出す・・・という、原因と結果の負の連鎖反応が繰り返され、無意識のうちに免疫不全状態に陥り、様々な症状が発現してその部位と病態に応じ診断され病名が与えられるということになるわけです。 現代医学は対症療法が中心ですから、発現した様々な症状を緩和抑制するための薬物が投与されたり、場合によっては、外科手術によってその部位を切除したりします。
ところが、その症状を引き起こしている免疫不全状態を改善したり、ましてや、そこに至る過程での負の連鎖を断ち切る治療は一切行われません。  そのため、一旦は症状が軽減し、あたかも治癒したか、快方に向かったかのように感じられますが、実はそうではなくて、免疫不全という根本原因はそのまま存在していますから、時間の経過とともに薬物耐性ができ、効能が薄れると症状が再発します。  現代医学でもその点は認識しており、症状が改善しても治癒とは言わずに「寛解」などというあいまいな表現を用いるのが習わしとなっています。

免疫不全に陥る原因は自律神経の乱れにほかなりません。  自律神経の乱れとは、すなわち、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて、どちらかが過度に優位になっている状態を意味します。  自律神経は白血球をコントロールしていますから、顆粒球とリンパ球の比率が極端に変化したり、あるいは、白血球の性質が変化して敵を間違えたり、敵に対して攻撃的になり過ぎたり、それを抑制する役割をもつ白血球が十分機能できなくなったりします。  自律神経は意思ではコントロールできませんから、その乱れを引き起こす原因を探って対処するしか方法はありません。
それでは一体何が自律神経の失調を招くのでしょうか。  それはストレスです。 ストレスについては、次項でみてみましょう。

誰でも知っているイソップのこの寓話を現代医療、とりわけ癌治療に当てはめて考えてみたいと思います。
余命1年などと脅かし、ナイフで切り取る、あるいは猛毒で毒殺、あるいは放射能で破壊する。 場合によってはこれらを総動員する。 これは戦争と同じで武力で無理やり制圧するやり方、つまり北風の医療といえます。  それとは逆に、暖め、はげまし、希望を与え、勇気づけて自分で治していく力を応援するやり方、これは太陽の医療です。
さてあなたはどちらの治療を選びますか? 

免疫というと、一般的には、インフルエンザのワクチン接種に代表されように、体内に問題が発生しない程度の抗原を入れ、白血球にその抗体を作らせるための経験を植え付けるといったことが思い浮かびます。 確かにそのようにして感染症に対処するために強化された能力も免疫機能のひとつではありますが、近年の研究によれば、免疫は感染症のみならず、常識を超えてはるかに広範囲に私たちの健康や病気と関わり合っていることが分かってきています。  それでは、どのようにして関わっているかについて考えてみたいと思います。
  
おおまかに二つの関わり合い方があります。 一つには、免疫システム自体が弱体化して免疫細胞の数が減少して十分に働くことができなくなっている状態が引き起こす病態。 もう一つは、免疫システムの弱体が免疫システムの内部バランスを崩して、攻撃的免疫細胞の活動をコントロールできなくなくなっている状態が引き起こす病態です。  最初の状態が引き起こす病態の代表は癌で、インフルエンザ、風邪、結核、肺炎等々の感染症や、ヘルペス、帯状疱疹なども挙げられます。 後者に当てはまるのはいわゆる自己免疫疾患と呼ばれる病態で、具体的にはリウマチ、膠原病、クローン病やアトピー、喘息などのアレルギー症状をはじめ、意外にも糖尿病、甲状腺障害などの内分泌異常、その他多くの慢性的内臓疾患も挙げられます。 

このように、感染症も慢性的疾患も、そのほとんどの病態がその根底のところで免疫不全と関わっていると考えられます。 それらは西洋医学では従来別々の病気としてとらえられていたものですが、免疫という観点から見ますとそのすべてが免疫機能不全が引き起こす各種症状、すなわち免疫不全症候群とみなすことができるようになります。 つまり、従来は別々の病気としてとらえられ、別々の診療科で別々の対症療法が試みられてきたわけですが、そのすべてが免疫不全という体全体で共通の根本原因から発生しているということであれば、最善かつ万能な治療は免疫不全の解消意外にはありえません。  

免疫不全は大抵ひとつのみならず、いくつもの要因が絡み合って起きるものと考えられますが、それが様々な病的な症状を生み出すには、大抵はその症状が発生する一歩手前の状態の時に何かちょっとしたきっかけが引き金となり、結果がさらなる原因になるという負のスパイラルに誘導してしまうことによってもたらされるというのが経験的に得られた結論です。 この何かのきっかけというのはいろいろあって、例えば、疲労、睡眠不足、風邪、化学物質との接触、気温などの外部環境の変化などが挙げられますが、普通は問題にはならないような程度のことが引き金になります。

免疫不全から脱出するには、それをもたらした要因をひとつひとつ取り除くのと同時に、負の連鎖を断ち切る努力が必要です。  ところが、その要因というのが悲しみや苦しみ、不安や心配といった心の問題であったり、あるいは、家庭や職場の人間関係といった、解消するのが容易でない場合も多いのです。  そこで、より手っ取り早いやり方としては、物理的手段を用いて負の連鎖を断ち切って正の連鎖に切り変えていくという方法になります。  免疫を司る自律神経系は大脳すなわち心の影響を強く受けています。 これは必ずしも一方通行というわけではなく、自律神経系は逆に心の動きをも左右しますから、外からの物理的刺激や情報によっても、マイナスの連鎖をプラスの連鎖に切り替えていくことが可能というわけです。  そして、その切り替えに成功し、プラスの連鎖が始まると、それまでとは逆にあとは急速に症状の改善が進むことになります。

負の連鎖を断ち切るためのもっとも効果的手段として誰にでもお勧めできるのが体を温めながら効率よく酵素を取り入れることができる酵素温熱免疫療法というわけです。
  
 



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